不動産業者として宅建業免許を受けて営業を開始したら、宅建業に従事する人それぞれに従業者証明番号を割り振って、その番号を管理していくことになります。
従業者証明番号の割り振りの要否
従業者証明番号は「宅地建物取引業に従事する者」に割り振らなければなりません。
どのような人が宅地建物取引業に従事する者に含まれるかの解釈は、都道府県等によっても若干異なる場合がありますが、おおむね以下ようになります。
- 会社の代表取締役
- 不動産業(宅建業)の営業に従事する人
- 常勤する役員
- 不動産業(宅建業)の総務、経理を担当する人
以上に当てはまる人には番号を割り振ります。
専任の宅地建物取引士や一般の宅地建物取引士も、通常は上記に含まれます(ただし宅地建物取引士の資格を持っているものの、不動産業には一切かかわらない部署にいる場合は除きます)。また、補助的な事務に従事する人も、通常、従業者証明番号を割り振らなければなりません。
逆に、以下のような人には証明番号を割り振る必要はありません。
- 他の業種と兼業している場合で、他の業種のみに従事する人
- 非常勤の役員
- 監査役
- 一時的に事務の補助をする人(短時間のアルバイト等)
監査役はその会社の外部から監査する位置づけなので、業務に従事する人とはみなされないことになります。
※上記の証明番号割り振りの要否は、東京都知事免許の場合の運用基準です。
従業者証明番号の振り方
従業者証明番号をどのように振っていくかについて、都道府県等の行政庁によって異なる場合があるので、予め確認しておくほうがよいでしょう。
なお、東京都の場合は以下のようなルールに従うことになります。
これから宅建業免許を新規に受けるとき
宅建業免許の申請を新たに行うときは、6ケタのうち最初の2ケタを申請する年の西暦下2ケタ、中央の2ケタを申請する月、最後の下2ケタを任意の番号として振り分けます。
従って、たとえば平成26年(西暦2014年)の10月に宅建業免許の申請を行う場合は、最初の4ケタは1410となります。
例:141001(2014年10月申請の従業者のうち、番号1番である人)
宅建業免許を受けた後、営業途中で就任する人に割り振るとき
こちらは、入社した年、月によって最初の2ケタ、中央の2ケタが決まり、最後の下2ケタが任意となります。
従って、たとえば平成26年(西暦2014年)12月に入社した人に従業者証明番号を割り振るときは、最初の4ケタが1412となります。
例:141201(2014年12月の1番目に入社した人)
従業者証明番号を割り振る際の注意点
従業者証明番号は、宅建業に従事する人が就任するごとに割り振り、その割り振った番号は別の新たな従事者に使い回すことができません。
従業者証明番号はその都度割り振っておく
都道府県によっては、最後の下2ケタを通し番号で管理することを求める行政庁もあります。
その場合、途中で入社してその後すぐ退社した人などにもしっかり従業者証明番号を割り振っておかないと、宅建業免許の更新手続きや免許替え手続きを行う際、従業員の入退社と証明番号が矛盾していることを指摘され、面倒なことになりかねません。
従事する者が増えたら番号を割り振り、減ったらその番号は削除して以後使わないということを、従事する者の名簿を作ってしっかり管理しましょう。
人事異動等の多い会社では、とりあえずで従業者証明番号を割り振っていったものの、宅建業免許の更新時に誰がどの番号か把握できなくなるといったケースもよくありますのでご注意ください。
専任の宅地建物取引士の人数との関係
また、宅建業に従事する者の人数は、専任宅地建物取引士の人数によって上限があることにも注意してください。
専任宅地建物取引士が1人しかいない会社なのに、現行の(有効な)従業者証明番号が6名以上割り振られているとすれば、免許の用件を満たさなくなってしまいます。
このような場合、つまり宅地建物取引業に従事する者の人数を5名以上に増やしたい(同時期に有効な従業者証明番号を5人以上に割り振りたい)ときは、先に専任の宅地建物取引士を2名以上に追加して変更届を提出することになります。