宅地建物取引士の資格は各都道府県で登録することになっていますが、開業の際に宅建業免許を申請する都道府県とは別の都道府県で宅地建物取引士登録している人を、専任の宅地建物取引士とすることはできるでしょうか。
他の都道府県で登録した宅地建物取引士
結論としましては、他の都道府県で登録をした宅地建物取引士であっても(つまり宅地建物取引士証に他の都道府県名が記載されていても)、専任の宅地建物取引士として指定することは可能です。
たとえば、東京都でこれから宅建業免許の申請をするため、鹿児島県で登録した宅地建物取引士を専任の宅地建物取引士として設置しても、他の都道府県だからといって免許申請が受理されないということはありません。
宅地建物取引士証更新の際の研修場所には注意
もっとも、宅地建物取引士証には有効期間があり、この有効期間が切れる前の一定期間内に、法定講習を受けなければ更新することができません。このときの研修は原則、登録をした都道府県内で行われる研修が指定されています。
従って、遠隔の都道府県で登録した人を専任の宅地建物取引士として指定し、不動産業を開業すること自体は可能ですが、後日、研修の際に他の都道府県まで往復しなければならず、余計な時間がかかるデメリットが生じます。この点ご注意ください。(このような場合、研修前にあらかじめ宅地建物取引士さんの登録の都道府県を変更するという方法もあります。)
宅地建物取引士の住所に注意
また、離れた都道府県で登録している人を専任の宅地建物取引士として指定するときでも、その宅地建物取引士は当たり前ですが「専任性」が求められるため、勤務地に常勤できる距離に居住していなければなりません。
つまり、東京都の業者で専任宅地建物取引士となる人は、原則、住民登録している場所が東京都内(または東京都内に通える距離)になければならないということです。
仮に住民登録している住所がかなり遠隔地の場合には、たとえばそれが新幹線通勤であれば通勤定期券などの提示で証明可能な場合もありますが、通常は居所として事務所に通える範囲に賃貸物件などを契約している証明を添付することで、この部分をクリアすることになるでしょう。
この点、詳しくは別ページで説明しましたので、専任の宅地建物取引士の住所地が他県の場合をご参照ください。