宅建業免許の申請に際して、法人(会社)であれば添付資料として、申請直前1ヵ年分の決算書の写しを提出することが求められます。
決算書の写しについては迷われる方も多いようなので、宅建業免許の申請に絞って、必要な書類や注意点について説明したいと思います。
宅建業免許の申請に添付を要する決算書
宅建業免許の申請で必要なのは、会社の決算で税理士さんが作ってくれる書類全てではなく、主に以下の3点になります。
- 決算書の表紙
- 貸借対照表
- 損益計算書
決算書の表紙
決算書の表紙は、文字通りそのまま決算書の表紙となっている書類のことです。
この決算書からは、会社の商号(社名)と決算期間が確認できなければなりません。
もし決算後に商号(社名)が変わっているときは、登記事項証明書から商号(社名)変更が分かればOKです。
損益計算書について
損益計算書に関しては、単に添付すればよいとお考えの不動産会社様が非常に多いのですが、宅建業免許申請の際、この損益計算書については担当者から結構細かく確認が入ります。
行政庁の窓口で以下の書類について担当者から確認された際、業法違反の内容を堂々と説明してしまっている不動産会社社長も見受けられます(隣の席から大声での会話が漏れ聞こえてくるのですが、その内容が無免許営業の自白であることを社長自身が気づいていないケースなどは、依頼者ではないものの冷や汗をかいてしまいます)。
売上高
まず「売上高」ですが、売上高の内容が一見してわかりにくい決算書の場合、内容を確認されます。宅建業免許の申請窓口に口頭で伝えれば事足りることもありますが、内訳の資料などを一度確認させてほしいとの流れになり、補足資料を用意しなければならないケースあります。
行政庁によって売上高が詳しく見られるのは、新規に宅建業免許の申請を行なう業者が、すでに宅建業を営んでいないか(無免許で営業していないか)、売上に計上されていないかを書面から確認するためです。
その他収入
売上高付近に、その他収入として何らかの金額を計上している場合にも、上記と同様の理由から内訳の説明を求められます。
既に不動産業からの収益があり、宅建業免許を取得していないため売上高には計上できず、その他収入でごまかす。そんなケースに該当しないか、行政庁から確認されることになります。
雑収入
雑収入などで計上されている金額についても、宅建業窓口担当者より内訳の説明が求められます。
宅建業をすでに営んでいないことが内訳から説明可能であれば何も問題ありませんが、不動産仲介の費用などを小額でも計上してしまっていると、無免許での営業を行なっていたとみなされ、宅建業免許は下りません。
決算未到来の会社
なお、設立してから決算未到来の新設法人は、上で説明したような決算書がまだありませんから。代わりに開始貸借対照表を作って添付することになります。
この場合、開始貸借対照表の年月日は会社設立の年月日を記入することになります。