これから宅建業免許を受けて不動産業を始めようとする会社において、もし役員に外国人が含まれる場合は、日本人の役員であれば取得可能な証明書等を用意することができないため、別の書類の添付を求められることになります。
この際、提出すべき各種書類は外国籍の方が日本在住なのか外国在住なのかで分かれますので、以下それぞれに分けて説明します。
日本在住の外国籍(外国人)の役員
日本国内に居住している外国籍の役員がいる会社での宅建業免許申請は、役員の証明資料として通常、以下のような書類を求められることになります。
※以下、都道府県によって若干異なる取扱いとなることがありますので、申請の際は行政庁または行政書士にご確認ください。
ここで言う役員というのは、代表権のない取締役だけでなく、代表取締役が外国籍の方の場合を含みます。
- 住民票の写し
- 登記されていないことの証明書
- 誓約書
- 略歴書
住民票について
日本人役員であれば、本籍地役所発行の身分証明書(身元証明書)と登記されていないことの証明書という証明資料の組み合わせになるのですが、外国人役員の場合は、住民票の写しと登記されていないことの証明書という組み合わせになります。住民票は、国籍を記載したものを取得し、その国籍を登記されていないことの証明書の国籍欄にも記載して取得することになります。
誓約書について
誓約書は、外国人役員が成年被後見人や被保佐人、破産者などの取引を制限された人ではないことを誓約する内容で作成するものです。日本人のように本籍地のある役所で身分証明書(身元証明書)を発行することができませんから、その代わりとして添付が求められる書類です。
規定のフォーマットはありませんが、行政庁によっては見本をもらえることもあります。
在留資格に注意
既に会社の役員に就任している状態なら問題ないとは思いますが、もし外国人役員の方の在留資格が商行為を含まないものであると、不動産業を営む前提が崩れてしまいますので、宅建業免許上の会社の役員として認められません。
外国在住の外国籍(外国人)の役員
外国人役員の方が日本ではなく海外(外国)に居住しているときは、概ね以下のような証明資料を求められることになります。
- 誓約書
- 略歴書
- パスポートのコピー
最初の誓約書は日本在住の外国人役員の場合と同様に、成年被後見人や被保佐人、破産者などの取引を制限された人ではないという誓約内容で作成するものです。
誓約書と略歴書、双方を母国語と日本語に翻訳したもの2種類で作成して、それぞれにサインをしてもらうことになります。
パスポートは、写真、氏名、生年月日がわかるページのコピーを添付します。
外国人役員が含まれる会社での宅建業免許は、主に以上のような添付書類に違いが生じます。外国在住役員のいる会社では、誓約書や略歴書の準備に予定している以上の日数がかかってしまうこともあります。
不動産事業の開始を検討中の(特に外資系)企業様におかれましては、早めのスケジュールが安心です。なお当事務所は外国籍の役員様の含まれる宅建業免許の申請も実績がございますので、お困りの際はお声がけください。